Kクン
退院して3日目
病院と違って気分的には落ち着けても、ベッドにはリクライニングはないし、空気も病院ほど澄んでいないので、クシャミが出ると激痛のようで、クシャミが出そうになると鼻をつまんでいます。
さて、緊急入院した日最初の病室に案内されました。
そのときに満面の笑みで迎えてくれた男の子が。
「キミは素敵な笑顔だね~」
名前を聞く前に思わず私は言いました。
Kクンは4年生
嘔吐が続き、自宅近所の小児科を受診すると食あたりか何かでしょう、と診断され帰宅。それでも続いたので、総合病院に行くと脳出血であることが判明したそうです。その病院で緊急手術。
しかし、
出血は1箇所だけではなく、その後8人のドクターに診てもらったののち、Hiroと同じ病院にたどりついたそうです。
小さい子どもが大人でも耐えられないような検査をし、再手術。
知り合ったばかりなのに我が子のことのように胸が締め付けられ涙が出ました。
ご家族の苦しみは想像をえないくらいのものだったと思います。
でもKクンはニコニコしていました。
Hiroのことを何故かすご~く慕ってくれてティーチャーと呼んでくれました。
Hiroが何か言うとケラケラ笑ってくれるんです
Hiroより数日前に手術
心臓ではないので術後は違う階の病棟へと移りました。
ところが、Kクンが「ティーチャーと同じ病棟がいい」と言ってくれたそうで
Hiroの手術した数日後にKクンも同じ病棟になりました。
残念ながら同じ病室には慣れなかったのですが、お互い行き来していたようです。
手術後の痛みも相当なものですが、抜糸もまた大人でも耐えられないような痛みがあると聞きます。
Hiroはドレーンを抜いたとき、外科医から「大人でも悲鳴を上げるほどなんですが、我慢していましたよ」と言われました。
Kクンは頭です。
頭をホッチキスのように何十箇所も留めてあって、それを抜くときの痛みと言ったら想像を絶するものがあるようです。
Kクンのお祖父さまが「麻酔してください」と何度も頼んだそうです。
でも抜糸は麻酔できないんですよね。
Kクンは強いな!!ずっと耐えていたそうです。
Hiroとは全く異なる手術ですが、Hiroは弟のようにKクンのことが可愛かったようです。
脳にはたくさんの神経が集中しています。
手術自体は成功しても後遺症は避けられません。
これまで格闘技をやっていたそうですが、今後できなくなりました。
Hiroも小さい頃から野球やサッカー
をやりたかったのですが、遊び程度しか出来ず悔しい思いをしてきました。
でも卓球に出会って変わりました。
もちろん卓球も激しいスポーツです。
でもボールが体に当たっても大丈夫です。
Hiroの話を聞いてKクンも卓球をやる!!と言っています。
ちょうど小学校のクラブを決める時期だそうで、卓球クラブにすると張り切っていました。
Hiroがやり始めた頃に使っていたラケットを譲ると大喜びしてくれました。
お互い、手術・入院は辛いことでしたが、この時期に入院していなければ出会わなかった2人。
連絡先も交換して「また絶対会おうね」と約束していました。
Kクンももうすぐ退院できるそうです
いつか一緒に卓球がやれたらいいな~と思います。
Kクンありがとう
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